アメリカでユナイテッド航空の旅客機から乗客の男性が無理やり引きずりおろされて大けがをした問題で、ユナイテッド航空は、定員を超えた便の座席を自主的に譲った乗客に対する補償額を最高で1万ドル(日本円で110万円余)と大幅に引き上げることなどを盛り込んだ再発防止策を発表しました。
ユナイテッド航空をめぐっては、今月9日、アメリカ・シカゴの空港で、離陸前に定員を超えたことが分かった旅客機に搭乗していた69歳の男性医師が、保安担当者によって無理やり引きずりおろされて鼻の骨を折るなどの大けがをし、厳しい批判にさらされました。
この問題を受けて、ユナイテッド航空は27日、再発防止策を発表しました。それによりますと、今後は、安全にかかわるケースでないかぎり、保安要員による対応は行わないほか、すでに座っている座席を譲ることを望んでいない乗客に対しては強制しないとしています。さらに、定員を超えた便の座席を自主的に譲った乗客には、最高で1万ドル(日本円で110万円余)の補償を行うとしています。これは、今回問題が起きた便で、補償額を提示して座席を譲ってくれる乗客を募ったものの誰も応じなかったことから、補償額の上限を、これまでの7倍以上に引き上げることにしたものです。
ユナイテッド航空のムニョスCEOは、声明で改めて陳謝するとともに、「顧客をより重視した企業文化に変わる転換点にする」と強調しました。
-- NHK NEWS WEB