宅配最大手のヤマトホールディングスは、荷物の急増で深刻化する人手不足に対応するため、28日に27年ぶりとなる個人向けの宅配便の料金の値上げを発表しました。今後、ネット通販会社をはじめ大口の取引先との間で本格化する料金の値上げや荷物の削減に向けた交渉などが課題となります。
ヤマトホールディングスは、ネット通販の荷物の急増に配達態勢が追いつかずドライバーをはじめ人手不足が深刻化し、長時間労働や巨額の賃金の未払いなどの問題を引き起こしました。
このため、会社ではドライバーなどの処遇を改善するために料金の値上げが避けられないとして、個人向けの小口の荷物の料金をことし9月末までに今より平均15%値上げすることを決めました。
ただ、ヤマト運輸が扱っている荷物のおよそ9割は企業など法人の顧客です。このため、会社は、今後、ネット通販会社などおよそ1000社の大口の取引先を対象に、料金の値上げや荷物の削減を目指しますが、交渉は容易ではありません。
また、ドライバーに負担がかかる再配達を減らすため、来年3月までに首都圏を中心におよそ3000台の宅配ロッカーを設置する計画ですが、これを着実に実施していけるかも課題です。
顧客重視を掲げ宅配業界をリードしてきたヤマトホールディングスによる値上げやサービスの見直しは、今後、個人や企業に広く影響が及ぶと見られるだけに、利用者からいかに理解を得ていくかが問われることになります。
-- NHK NEWS WEB