イギリスを訪問している安倍総理大臣は、日本時間の28日夜、メイ首相との首脳会談に臨みました。会談のあとの共同記者発表で、安倍総理大臣は世界で保護主義の台頭が懸念される中、両国が手を携えて自由貿易を推進していくことで一致したと明らかにしました。
安倍総理大臣は、日本時間の28日夜、ロンドン郊外にあるイギリスの首相の公式別荘「チェッカーズ」でメイ首相と会談しました。このあと、両首脳は共同記者発表を行いました。
この中で、安倍総理大臣は「イギリスを自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する戦略的パートナーとして重視しており、イギリスがEU=ヨーロッパ連合を離脱しても全く変わることはない」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「世界で保護主義の動きが顕著になる中で、日欧が米国とともに自由貿易の旗を高く掲げなければならない。自由貿易の旗手を自認する日本と英国はともに手を携えてリーダーシップを発揮していく」と述べ、両国が手を携えて自由貿易を推進していくことで一致したと明らかにしました。
また、安倍総理大臣は「日本とEUのEPA=経済連携協定の交渉の妥結が世界に発する象徴的なメッセージは極めて重要で、早期の大枠合意を実現するために今後も英国と緊密に協力していく」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は、イギリスのEUからの離脱が円滑に実現することは世界経済にとって重要だとしたうえで、離脱にあたって、日系企業を含めた円滑な企業活動が維持されるよう配慮を求めたことを明らかにしました。
一方、安全保障分野の協力について、安倍総理大臣は「国際社会は、北朝鮮の核・ミサイル開発や東シナ海および南シナ海情勢をはじめ、法の支配に基づく国際秩序に対する深刻な挑戦に直面している。こうした中で日英が地球規模で緊密に連携していくことで一致したことは大変意義深い」と述べました。
さらに、安倍総理大臣は「1か月後にはイタリアでG7サミットが開催される。G7が国際秩序のけん引者であることをしっかり世界に示していきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB