がん治療の副作用で、髪の毛が抜けるなど外見の変化に悩む男性患者に、化粧などを通じて外見のケアを紹介する取り組みが広がっています。
大手化粧品メーカーの資生堂では、がん患者の男性に化粧の方法を紹介するパフレットを作り、ホームページでも公開を始めました。
パンフレットでは、治療の副作用で抜けた眉毛を描くために必要な道具を紹介したり、男性らしい眉を描く方法が写真付きで紹介されたりしています。
また、これまで開いてきたがん患者向けの化粧セミナーでは、参加者のほとんどが女性だったことから、今後は男性の患者を集めて化粧の方法をアドバイスする無料セミナーも開催していきたいということです。
一方、東京・江東区のがん研有明病院は、毎月1回、男性の患者向けに外見のケアの方法を教える無料の講座を開いています。
多い時には20人以上が訪れ、副作用でくすんでしまった肌を整えるスキンケアの方法を教えたり、おしゃれな帽子やかつらを展示したりしています。
また、副作用で爪が黒ずんだり、ひび割れたりしているため、仕事で名刺交換をする際、気にする患者も多いため、先月からはネイリストによる爪のケアの指導も始めました。
訪れた男性患者は「治療で爪がもろくなってしまったが、磨いてみると爪が光るようになってきた」と話していました。
がん研有明病院の宇津木久仁子医師は「外見に変化があると、消極的になったり家にこもったりする人も少なくない。外見のケアを進めることで、いつもの自分らしい生活に戻りやすくなると思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB