家庭用こんろなどの調理器具で起きた火災などの事故が5年間に1000件近くに上っていることがわかり、調査に当たったNITE=製品評価技術基盤機構は、汚れが原因となるケースが目立つとして注意を呼びかけています。
製品事故を調査しているNITEによりますと、去年3月までの5年間にメーカーから報告された家庭用こんろや電子レンジなどの調理器具で起きた事故は989件に上り、このうち23人が火災で亡くなっています。
NITEが分析したところ、事故全体のおよそ3割に当たる325件は、器具の汚れや周囲の燃えやすいものに燃え移ったことが原因だったということです。
具体的には、汚れのたまったガスこんろで火がつきにくいため点火操作を繰り返したところ、たまったガスに引火してやけどしたというケースやグリルにたまった油汚れが原因で発火したケース、それに、鍋に火をかけたままその場を離れ、こんろの熱で周囲のものが燃えて火災となったケースなどが報告されています。また、電子レンジでも油汚れを放置すると発火する事故が起きるおそれがあるということです。
NITEは煮こぼれや油汚れはこまめに掃除して拭き取るようにし、こんろの周囲には燃えやすいものを置かないよう注意を呼びかけています。
NITEの穴井美穂子課長は「こんろの汚れを放置すると大きな火災につながってしまうおそれがある。汚れを見落とさずにこまめに掃除し、きれいに使うことが事故の予防になる」と話しています。
-- NHK NEWS WEB