さまざまな品物を手軽に売買できるスマートフォンアプリの「メルカリ」で、発行済みの領収書の出品が相次いでいたことがわかりました。専門家は脱税などに悪用されるおそれもあると指摘していて、運営会社は出品を削除するなど監視を強化しています。
「メルカリ」はフリーマーケットのようにさまざまな品物を利用者どうしで手軽に売り買いができるスマートフォンのアプリで、先月、1万円札などの現金が出品されていたことが問題となりました。
運営会社は現行の貨幣の取り扱いを禁止する措置を取りましたが、ほかにも発行済みの領収書が記載された金額よりも安い値段で出品されていたことがわかりました。このうち、78万円分の高級腕時計の領収書は1000円で、1万3000円分の飲食店のレシートは400円で、さらに、電車代などの大量の領収書はまとめて1200円で売られていました。
これについてインターネットの取引に詳しい浜門俊也弁護士は「出品者はただの紙切れを換金できるメリットがある。一方、買った側は事業者なら脱税に悪用したり、サラリーマンなら会社に経費を不正請求したりするなど使い方しだいでは犯罪になりうる」と指摘しています。
メルカリの運営会社は「領収書の出品はサービス開始当初から禁止していて、見つけしだい削除している。把握している範囲では、取り引きには至っていない」としています。
-- NHK NEWS WEB