格安スマホは、料金の安さを売りにユーザーを伸ばしていますが、その一方で、トラブルの相談も増えています。こうした中、接客サービスの強化やユーザーの満足度を高めようという対策に乗り出す事業者が相次いでいます。
家電量販店のノジマは、先月、格安スマホを手がけるニフティの個人向け事業を買収したのをきっかけに、店頭での窓口サービスを始めました。千葉県柏市のショッピングモールにある店舗では、先月、販売スペースの一部を改装し、格安スマホの専門店をオープンしました。この量販店では、商品の詳しい説明など、家電製品の販売で培った接客サービスを格安スマホの販売にも取り入れていて、格安スマホになじみが薄かったファミリー層やシニア層の獲得を狙っています。
相談に訪れた70歳の女性は「スマホの情報は世の中にあふれていて自分で調べるのも難しいので、面と向かって話ができると助かります」と話していました。この量販店は、来年3月までにおよそ200か所に専門店を拡大する計画です。ニフティモバイルの小倉悠平店長は「きめ細かい丁寧な接客で、不安な声を取り除くことで信頼を勝ちとりたい」と話していました。
一方、TSUTAYAを展開するグループなどが手がける格安スマホのトーンモバイルは、全国60余りの店舗で専用コーナーを設けています。この会社のターゲットは主に子どもで、専用のホームページで子どもの位置情報を確認できる機能や、インターネットやアプリの使用の制限ができる機能を備えることで、安心感を強調しています。さらに、ことし2月からは、子育て世代の女性を狙って、30代から40代の女性向けのファッション誌と提携しました。
雑誌「VERY」の今尾朝子編集長は「子どもの安心感を求める母親のニーズがあるにもかかわらず、そもそも格安スマホ自体を理解している人は少ない。雑誌の誌面だけでなく講座を開くなどの取り組みを展開したい」と話しています。
一方、トーンモバイルの石田宏樹社長は「スマートフォンはまだまだオンラインだけでは不完全なサービスで、店舗とサポート体制は最も重要だと考えている。サービスをつくるだけなくて伝えるための取り組みを強化していきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB