死刑囚の元暴力団会長が殺害を告白した不動産会社社長が、去年、埼玉県内の山林で遺体で見つかった事件で、東京地方検察庁は、この死刑囚を殺人の罪で起訴しました。
起訴されたのは、平成15年に前橋市のスナックで客など4人が銃で射殺された事件で、指示役として死刑が確定した住吉会系の元暴力団会長、矢野治被告(68)です。
起訴状などによりますと、矢野死刑囚は平成10年4月、東京・豊島区にあった暴力団事務所で、新宿区の不動産会社社長、斎藤衛さん(当時49)の首を圧迫して殺害したとして、殺人の罪に問われています。
矢野死刑囚は、斎藤さんを金銭トラブルから殺害したと告白する文書を警視庁に送り、警視庁が配下の組員の証言をもとに去年11月、埼玉県ときがわ町の山林で遺体を発見し、先月逮捕していました。
斎藤さんは、当時の参議院議員らが実刑判決を受けた「オレンジ共済組合」の大型詐欺事件に絡む政界工作疑惑をめぐって、平成9年に国会で証人喚問されています。
警視庁によりますと、矢野死刑囚は逮捕された当時、黙秘していたということです。
矢野死刑囚をめぐっては、平成8年に行方がわからなくなった神奈川県の当時60歳の男性の殺害への関与についても告白し、遺体も見つかっていて、警視庁が慎重に捜査を進めています。
-- NHK NEWS WEB