高速鉄道の整備が計画されているマレーシアで、日本政府は、日本の新幹線方式の導入を働きかけようと、3日、説明会を開き、観光客の誘致や雇用の創出など経済効果をアピールしました。
マレーシア政府は、隣国シンガポールとの間300キロ余りをおよそ1時間半で結ぶ高速鉄道の整備を計画していて、2026年の開業を目指し、年内にも入札が行われる見通しです。
これに向けて日本政府は、日本の新幹線方式の導入を働きかけようと、3日、首都クアラルンプールで、マレーシアの政府や企業の関係者およそ600人を招いて、説明会を開きました。
会場では冒頭、石井国土交通大臣があいさつし、「新幹線は地域を育て、国をけん引してきた。マレーシアの発展にも貢献したい」と述べました。
続いて開かれたシンポジウムで、JR東日本の深澤祐二副社長は、おととしの北陸新幹線の開業で、石川県を訪れる観光客が年間で300万人余り増え、沿線での雇用創出にもつながっていることを説明し、「この経験をマレーシアで生かしたい」と述べて、新幹線の経済効果をアピールしました。
説明会に出席した地元の鉄道事業者は「日本は50年以上にわたって新幹線を安全に運行しており、マレーシアの高速鉄道にも寄与できる」と話していました。
マレーシアの高速鉄道の入札に向けては、日本のほか、中国も沿線の積極的な開発を打ち出すなど攻勢をかけていて、受注を目指す各国の競争は激しさを増しています。
-- NHK NEWS WEB