性的マイノリティーの人たちが職場などで受ける差別的な発言や嫌がらせを、「SOGIハラ」と呼び、その実態を広く知ってもらおうというイベントが、東京で開かれました。
会場には、性的マイノリティーの当事者や企業の関係者などおよそ100人が集まりました。
「SOGIハラ」とは、好きになる人の性別、Sexual・Orientationと、自分の性別の認識、Gender・Identityの頭文字をとったSOGIという言葉とハラスメントを組み合わせた造語で、性的マイノリティーの人たちが受ける差別的な発言や嫌がらせを示しています。
3日のパネルディスカッションでは、女性として生まれ、今は心の性に従って男性として生活している、藥師実芳さんが「就職活動の時、性同一性障害だと言うと、『帰ってください』と言われたり、『体はどうなっているのか、子どもは産めるのか』と聞かれたりした」などとみずからの体験を語りました。
また、参加者からも「心が女性であることを隠して男性として入社した。同じ部署の人にだけと思いカミングアウトしたら、関係のない人にまで話が広まり嫌な思いをした」といった発言がありました。
イベントの実行委員会の松中権さんは、「SOGIハラは、加害者は無意識にやっていることが多く、被害者がカミングアウトしていない場合もあり見えにくい。『セクハラ』のように、してはいけないこととして、広く知られるようになってほしい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB