今月7日に行われるフランス大統領選挙の決選投票を前に、中道のマクロン候補と極右政党のルペン候補がテレビ討論に臨み、EU=ヨーロッパ連合との関係や治安対策などをめぐり、激しい論戦を繰り広げました。
フランス大統領選挙の決選投票は、中道の無所属のマクロン候補と極右政党の国民戦線のルペン候補の間で争われ、これまで政権を担ってきた主流政党の候補が不在の異例の展開となっています。
3日に行われたテレビ討論では、EUとの関係をめぐってルペン氏が「フランス企業が利益を得られるよう、経済活動の主権を取り戻す」と述べ、EUからの離脱の是非を問う国民投票を実施するべきだと主張したのに対し、マクロン氏は「強いEUを築くことこそがフランスの利益を守る」と述べ、EUから離脱すれば経済が深刻な打撃を受けると反論しました。
また、テロなどに備える治安対策をめぐっては、ルペン氏が「EUのもとで廃止された国境管理を復活し、当局の監視対象になっている外国人を直ちに国外に追放すべきだ」と訴えたのに対し、マクロン氏は「テロを防ぐためEU各国が情報を共有すべきだ。テロリストの目的は国民を分断することであり、人々の対立をあおるルペン氏はそのわなにはまっている」と批判しました。
討論はおよそ2時間半にわたって行われ、ルペン氏が終始、経済相を務めたマクロン氏を既存の政治の継承者だと攻撃したのに対し、マクロン氏はルペン氏の政策は具体性に欠けると批判し、激しい非難の応酬が続きました。
最新の世論調査では、投票に行くと答えた人のうち60%がマクロン氏に40%がルペン氏に投票するとしていますが、投票率が下がればルペン氏が有利になるという見方もあり、有権者の選択が注目されます。
-- NHK NEWS WEB