マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道の建設計画で、中国の建設会社が、拠点となるクアラルンプールの駅の整備を請け負う地元企業を買収すると発表していましたが、その後、中国側から必要な支払いが行われず、契約が破棄されたことが明らかになり、日本も参加して年内にも行われる予定の高速鉄道の入札に影響が出るのか注目されます。
中国の鉄道建設大手、中国中鉄は、おととし12月、マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道の拠点となるクアラルンプールの駅舎の建設や周辺の不動産開発を請け負っていたマレーシア企業の株式の60%を取得し、買収すると発表しました。
これについて、マレーシア財務省傘下の企業は4日、声明を出し、中国側から株式取得に必要な支払いが期限を過ぎても行われなかったため、契約は破棄されたと発表しました。声明では、今後、新たな事業者の選定を急ぐとしています。
これに対して、中国の建設会社側は「事態を深刻に受け止めており、契約破棄に関する内容を調査している」という声明を出しました。
クアラルンプールとシンガポールの間のおよそ300キロを結ぶ高速鉄道計画は、2026年の開業を目指し、年内にも入札が行われる予定で、日本や中国、韓国などが激しい受注競争を繰り広げています。
今回の買収は、中国による大きなアピールとされてきただけに、入札に影響が出るのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB