経済成長が続くインドで、日本の企業が初めてクレジットカード事業を始めることになり、インド政府によるキャッシュレス化が進む中、カード会社によるシェア獲得競争が一段と激しさを増すことになりそうです。
クレジットカード大手のJCBは、インド全土でクレジットカード事業を開始するのにあたり、4日、首都ニューデリーでイベントを開きました。
JCBは、インドの各銀行と提携し、ATMや店舗などで日本からの旅行客などが持っている既存のカードを利用できるようにするほか、インド国内で新たなカードを発行し、利用者を増やす計画です。
インドでは、ビザやマスターカードなどアメリカのカード会社が先行していて、日本の企業によるカード事業はJCBが初めてとなり、日本とインドの間の観光客の交流を増やすためにも有効だとして、観光業界などの期待も高まっています。
JCBの浜川一郎社長は「アジアの最後の空白地帯がインドで、13億の人口と7%を超える経済成長によってカードの需要は伸びていくだろう」と話しています。
インド政府は、去年、脱税対策として高額紙幣を廃止したあと、キャッシュレス化の政策を進めていて、カードによる決済が、高額紙幣が廃止される前と比べて60%ほど増えているということです。今後、カードの利用者が急速に増えると見られていて、インドの巨大市場をめぐって、カード会社によるシェア獲得競争が一段と激しさを増すことになりそうです。
-- NHK NEWS WEB