政府系金融機関の商工中金が、資金繰りが悪化した中小企業を支援する国の制度を使って不正融資を繰り返していた問題で、世耕経済産業大臣は閣議のあとの会見で、何年にもわたって続いた不正であり、役員の減給処分だけで済む話ではないと厳しく批判し、9日にも商工中金に業務改善命令を出す方針を明らかにしました。
この問題は、商工中金が災害や円高などで一時的に資金繰りが悪化した中小企業を支援する国の特別な融資制度を活用する際、企業の申請書類を改ざんして、本来、融資対象にならない企業にも融資を行っていたもので、先月、安達健祐社長ら幹部が役員の報酬の一部を返納する処分を発表しています。
これについて、世耕経済産業大臣は9日の閣議のあとの会見で、「誠に遺憾だ。過去何年にもわたって、現場で延々と続けられてきた問題だと思っている。商工中金が、みずからの調査に基づいて処分を発表しているが、今の役員を減給処分するだけで済む話ではない」と厳しく批判しました。
そのうえで、「9日中にも業務改善命令を発出したいと思っている。全容解明の結果も踏まえたうえで、直接関与した担当者の処分や組織体制の見直しを求めたい」と述べ、9日にも商工中金に対して、法律に基づいて、業務改善命令を出す方針を明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB