政府系金融機関の商工中金が、資金繰りが悪化した中小企業を支援する国の制度を使って不正融資を繰り返していた問題で、政府は、9日、商工中金に対して原因の究明などを求める業務改善命令を出しました。
この問題は、商工中金が災害や円高などで一時的に資金繰りが悪化した中小企業を支援する国の特別な融資制度を活用する際、企業の申請書類を改ざんして、本来融資対象にならない企業にも融資を行っていたものです。
この問題で中小企業庁の宮本聡長官は9日、商工中金の安達健祐社長を呼び、経済産業省と財務省、それに金融庁による業務改善命令を出しました。
この問題では、商工中金の第三者委員会が816件の不正融資が行われていたなどとする調査結果をまとめていますが、一部を抽出したサンプル調査だったことから、今回の業務改善命令では、同じ制度を使った20万件余りのすべての融資を調べるとともに、原因の究明や法令順守の徹底などを求めています。
そのうえで、来月9日までに調査の工程や組織の管理体制の強化策などを盛り込んだ業務改善計画をまとめ、提出するよう求めています。
政府系金融機関が業務改善命令を受けるのは今回が初めてとなります。
-- NHK NEWS WEB