国立がん研究センターは、がんに関するさまざまな情報を人工知能に学習させ、患者一人一人に最適な治療を行えるようにするプロジェクトを始めると発表しました。
会見したのは、国立がん研究センターと人工知能の研究開発などに取り組む産業技術総合研究所、それにベンチャー企業のPreferred Networksのグループです。
それによりますと、プロジェクトでは、がん患者一人一人の遺伝情報やMRIの画像情報など、診療中に得られた膨大なデータを、人工知能がみずから学ぶディープラーニングと呼ばれる技術を使って統合します。そのうえで、がんの特徴や進行の度合いなどに応じて、患者一人一人にどのような治療が最適か提言できるようにするということです。
プロジェクトでは、すでに人工知能に読み込ませるデータベースの構築を始めていて、早ければ5年後にも医療現場での実用化を目指すということです。
国立がん研究センターの間野博行研究所長は「医療分野で人工知能は大きな発展性が期待されている。特にがんの世界は、ゲノム医療への導入など、極めて重要な意味を持つので、その最初の一歩として、“メディカルAI”の開発に取り組んでいきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB