海外との貿易や金融取引などでどれだけ稼いだかを示す昨年度=平成28年度の日本の経常収支は、原油価格の下落を受けて貿易収支の黒字額が大幅に増えたことなどから、過去3番目となる20兆1990億円の黒字となりました。
財務省が発表した昨年度1年間の経常収支は20兆1990億円の黒字となり、黒字の額は前の年度を2兆3371億円上回り、3年連続で増加しました。
経常収支の黒字額は、比較が可能な昭和60年度以降では、リーマンショック前の平成19年度と平成18年度に次いで過去3番目の規模となりました。
内訳を見ますと、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、原油価格の下落の影響でLNG=液化天然ガスなどの輸入額が減少したことや、円高ドル安によって円に換算したドル建ての輸入額が減少したことなどから、5兆7654億円の黒字となり、前の年度を5兆円余り上回る大幅な増加となりました。
また外国人旅行者が日本で消費した金額から日本に住んでいる人が海外で消費した金額を差し引いた旅行収支は、1兆2789億円の黒字となり、過去最高を更新しました。
さらに海外との利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」は、企業が海外の子会社から受け取った配当が多く、18兆356億円の黒字となりました。
合わせて発表されたことし3月の経常収支は、2兆9077億円の黒字で、33か月連続の黒字となりました。
-- NHK NEWS WEB