北朝鮮が世界各地の銀行を狙って、サイバー攻撃を仕掛けている疑いが強まっていることについて、アメリカの情報セキュリティー会社の幹部は10日、アメリカの議会上院で証言し、サイバー攻撃が北朝鮮の国家による犯行という認識を示し、警戒感をあらわにしました。
この問題は、北朝鮮が世界30か国以上の銀行を狙ってサイバー攻撃を仕掛け、多額の現金を盗んだ可能性が高いことが、アメリカやロシアの情報セキュリティー会社の調べでわかったものです。
これに関連し、アメリカの大手、シマンテックの幹部、ジェフ・グリーン氏は10日、アメリカ議会上院の国土安全保障委員会で証言し、「北朝鮮のグループが、サイバー攻撃でバングラデシュ中央銀行から8100万ドルを盗んだ。北朝鮮はバングラデシュだけでなく、ほかの場所でも攻撃を仕掛けている」と報告しました。
そのうえで、銀行を狙って現金をだまし取るサイバー犯罪はこれまで個人の犯行だったが、北朝鮮のサイバー攻撃は国家による初めての犯行という認識を示し、警戒感をあらわにしました。
一方、議会上院の軍事委員会では9日、NSA=国家安全保障局のロジャーズ長官が、北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源について問われ、「詳細は言えないが、北朝鮮は資金を集めるためサイバー犯罪にも手を染めている」と述べ、サイバー攻撃が資金源の1つという見方を示しました。
-- NHK NEWS WEB