東京電力は、新しい事業計画を11日にも国に申請することにしていて、原発事故の賠償や廃炉に対応できる収益力をつけるため、原子力事業で、ほかの電力会社との協力の枠組みを2020年をめどに作る方針などを盛り込むことにしています。
福島第一原子力発電所の事故のあと事実上、国有化されている東京電力は、賠償や廃炉の費用が21兆円余りに膨らむ見通しとなったことから、新たな事業計画をまとめて、11日にも国に申請します。
この原案によりますと、東京電力は巨額の費用を賄うだけの収益力をつけるため、事業の再編や統合を目指し、原子力事業では安全面の取り組みや、効率的な発電で、ほかの電力会社と協力する枠組みを2020年をめどに作り、青森県で建設予定の東通原発などで協力を進める方針を盛り込んでいます。
また、収益が安定している送配電事業でも、2020年代のはじめに、ほかの電力会社と共同事業体を設立するとしています。
ただ、相手先の具体名は明記されておらず、ことし秋をめどに国と協議して協力相手の募集の要件などを決めたいとしています。
一方、焦点となっていた新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働については、地元の同意を得られる見通しが立っていないことを踏まえ、新たな計画では再稼働の時期を特定せず、6号機と7号機の再稼働が2019年度の場合、2020年度の場合、2021年度の場合の3つの想定を置いています。
東京電力は今後、国の認定を受けて、新たな計画に基づいて事業を行うことになります。しかし、ほかの電力会社は東京電力との共同事業には積極的ではなく、計画どおり、原発事故の関連費用を捻出できるかは不透明です。
-- NHK NEWS WEB