福岡県芦屋町の前の教育長が、法律の規定に違反して、みずからの次男が教科書の発行会社に勤務しているにもかかわらず、在任中、町の小中学校で使う教科書の採択に関与していたことがわかりました。これを受け、文部科学省は、都道府県の教育委員会に対し教科書採択にあたって法令を順守するよう通知しました。
福岡県の芦屋町教育委員会によりますと、前の教育長が在任中の平成23年から平成27年にかけて、みずからの次男が教科書の発行会社に勤務しているにもかかわらず、芦屋町や中間市など福岡県内5つの市や町の公立の小中学校で使う教科書を採択する協議会に参加していたということです。
協議会で前の教育長は議決権のある5人の委員の1人で、地方教育行政法の規定では、3親等以内の親族に利害関係者がいる場合は教科書採択に関与することを禁じています。前の教育長は、芦屋町教育委員会に対し「法令を知らなかった」と述べているということです。
これを受けて文部科学省は9日、都道府県の教育委員会に対し教科書採択にあたって法令を順守するよう通知しました。
福岡県教育委員会によりますと、前の教育長が特定の教科書を積極的に推すような発言はなかったということで、芦屋町教育委員会は、「事態を大変重く受け止めている。職員も含めて法律の認識が甘かった。こうしたことが二度と起こらないようにしたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB