アメリカ議会下院が北朝鮮に対する制裁を強化する法案を可決したことについて、北朝鮮は１２日、抗議の書簡を送ったと発表し、「アメリカの敵視政策に対処した自衛的措置を絶えず講じていく」として、圧力に屈しないという姿勢を強調しました。
アメリカ議会下院は今月４日、北朝鮮の核やミサイルの開発資金につながるとして、北朝鮮と取り引きのある外国人や外国企業を対象に制裁を科すことができる法案を可決しました。
法案の可決について、北朝鮮は１２日、最高人民会議外交委員会の名義で、アメリカ議会下院に宛てて抗議の書簡を送ったと国営メディアを通じて発表し、「法案の可決はわが国の自主権と生存権を重大に侵害する極悪な行為だ」と非難しました。
そして、「敵視法案を作れば作るほどわが国の核抑止力強化のスピードは想像できないほど速まる」と警告したうえで、「アメリカの今後の行動を注視し、敵視政策に対処した自衛的措置を絶えず講じていく」として、圧力に屈しないという姿勢を強調しました。
書簡を出した最高人民会議外交委員会は、先月、１９年ぶりに復活したもので、キム・ジョンウン（金正恩）朝鮮労働党委員長の側近で、前外相のリ・スヨン副委員長がトップを務めています。
復活した外交委員会の活動が伝えられたのはこれが初めてで、北朝鮮は核・ミサイル開発をめぐるみずからの立場をアピールするため、対外活動の強化を図っていくものと見られます。
-- NHK NEWS WEB
