世界各地に広がっている大規模なサイバー攻撃による被害は、104の国と地域で12万6000件以上に上っていて、欧米の主要メディアは、アメリカの情報機関が開発した技術が、ハッカー集団によって盗まれ、何者かに悪用された可能性があると伝えています。
世界各地の企業などが被害を受けた大規模なサイバー攻撃について、チェコに本社がある情報セキュリティー会社「アバスト」は13日、確認された被害はさらに増えて、104の国と地域で合わせて12万6000件以上に上っていると発表しました。
サイバー攻撃はマイクロソフト社の基本ソフト「ウィンドウズ」を標的にしたもので、ファイルを勝手に暗号化して利用できなくしたうえで、元に戻すために金銭を要求する、「ランサムウエア」と呼ばれる「身代金要求型」のウイルスが使われています。
これについて欧米の主要メディアは、アメリカの情報機関、NSA=国家安全保障局が情報収集活動のために開発した技術が、ハッカー集団によって盗まれ、悪用された可能性があると伝えています。
ハッカー集団は「シャドー・ブローカーズ」と名乗り、去年8月、この技術をNSAから盗み入手したとして、インターネット上で買い手を募っていましたが、誰も応じなかったため、先月、無料で公開したということです。
今回、サイバー攻撃が何者によって行われたかはわかっていません。
また、NSAはハッカーによって技術が盗まれたかどうかを含めコメントをしていません。
攻撃に使われたウイルスは、ウィンドウズの特定の欠陥を突いて感染するタイプのもので、マイクロソフト社はことし3月、この欠陥を公表し、修正用のプログラムを配布していましたが、修正を適用していなかった端末が被害を受けたと見られています。
-- NHK NEWS WEB