13年前に前橋市のスナックで起きた銃乱射事件で死刑が確定した元暴力団会長が、大型詐欺事件をめぐって国会で証人喚問された会社社長の男性を殺害したと告白したことから、警視庁が埼玉県内の山林を捜索した結果、白骨化した遺体の一部が見つかりました。警視庁は、この男性の可能性があると見て身元の確認を進めています。
殺害への関与を告白したのは、平成15年に前橋市のスナックで客など4人が銃で射殺された事件で、指示役として死刑が確定した住吉会系の元暴力団会長の矢野治死刑囚(67)で、平成10年ごろ、東京・豊島区の暴力団事務所で、不動産会社社長の斎藤衛さん(当時49)を殺害し配下の元組員らに命じて遺体を遺棄したことなどを書いた文書を警視庁に送っていました。
元組員らも「遺体を埼玉県内の山林に埋めた」と証言したことなどから、警視庁がことし7月以降、埼玉県ときがわ町の山林を捜索してきました。
その結果、29日午後、警視庁が捜索で掘り起こした斜面の土の中から白骨化した遺体の一部が見つかったということです。
斎藤さんは、当時の参議院議員らが実刑判決を受けた「オレンジ共済組合」の大型詐欺事件に絡む政界工作疑惑を巡って、平成9年に国会で証人喚問されています。
警視庁は、遺体は斎藤さんの可能性があると見て、身元の確認を進めるとともに、遺棄されたいきさつなどについて調べることにしています。
-- NHK NEWS WEB