経営再建中の東芝が進める半導体事業の売却交渉をめぐって、工場を共同運営してきたアメリカのメーカー、ウエスタンデジタルは、14日、国際仲裁裁判所に対して、売却の差し止めなどを求める申し立てを行ったと発表しました。
東芝は、経営の再建に必要な資金を得るため、先月、半導体事業を新会社の「東芝メモリ」に移し、株式の売却に向けた交渉を進めています。これに対し、三重県四日市市にある主力工場を共同運営してきたアメリカのウエスタンデジタルは、株式の売却にはみずからの同意が必要だと主張し、意見が対立していました。
こうした中、ウエスタンデジタルは、14日、子会社を通じて、国際仲裁裁判所に、仲裁の申し立てを行いました。具体的には、半導体事業を新会社の東芝メモリに移したことの解消や、ウエスタンデジタルの同意なしに東芝メモリの株式を第三者に売却することの差し止めを求めています。
ウエスタンデジタルのスティーブ・ミリガンCEOは、「問題を解決するためのあらゆる取り組みは功を奏さず、現時点で必要なステップは法的措置だと考える」というコメントを発表しました。
東芝や日本政府は、アメリカの投資ファンドや、日本の官民ファンドの産業革新機構、それに複数の日本企業が出資する“日米連合”のグループへの売却を検討し、ウエスタンデジタルにも参画を求めていました。しかしウエスタンデジタルは、日本側が求める20%未満の出資では不十分だとしていて、東芝が経営の再建に欠かせないと位置づける半導体事業の売却はさらに難航することも予想されます。
-- NHK NEWS WEB