東芝の綱川智社長は15日午後、都内の本社で記者会見し、ことし3月期決算の発表を延期したことについて陳謝したうえで、早期の発表を目指す考えを示しました。
このなかで、綱川社長は「当社と監査法人は皆さまのご心配を一刻も早く払拭(ふっしょく)するために協調しながら、適切かつ早期に決算手続きを終わらせるために最善を尽くします。本日、決算を発表できないことは株主、投資家をはじめとする関係者の皆さまには多大なご心配をかけますことを改めて深くおわび申し上げます」と述べました。
また、これまで監査法人との主張に隔たりがあったことを踏まえて、「監査法人とは前向きに決算手続きを進めようということで協調しようとしている。監査法人に対してはしっかりと誠実に協力をしていきたい」と述べたうえで、現在、契約している「PwCあらた監査法人」の変更を検討しているのかという問いに対しては、「ことし3月期の決算に関しては、PwCあらたとしっかりとやっていく。今後については、特に何か決めたということは聞いていない」と述べました。
さらに、アメリカの原子力事業をめぐり監査法人が指摘していた巨額の損失を認識した時期の調査について、綱川社長は「監査の手続きが続いているので、調査を継続している」と述べ、調査を引き続き行う考えを明らかにしました。
一方、綱川社長は、半導体事業の売却交渉をめぐって工場の共同運営をしているアメリカのメーカー、ウエスタンデジタルと意見が対立していることについて、「半導体事業の分社化と株式の過半の売却のプロセスは正当に実施している。合弁事業の契約に抵触している事実もなく、ウエスタンデジタル側が止める根拠はない。入札の参加者に東芝の主張の正当性を伝えて懸念を払拭していく」と述べました。
そのうえで、半導体事業の売却をめぐる2回目の入札については、「予定どおり5月19日に行うことで作業を進めている」と述べました。
-- NHK NEWS WEB