銀行が無担保で個人に融資するカードローンは過剰な融資のおそれが指摘されていますが、メガバンク3行のことし3月末の融資残高はおよそ1兆6300億円に上り、1年で1400億円、率にして8%余り、増加していたことがわかりました。
銀行の経営環境が長引く低金利で厳しさを増す中、各銀行は、無担保で個人に融資するカードローン事業を強化してきましたが、返済能力を超える過剰な融資につながるおそれが指摘されています。
こうした中、メガバンク3行が15日に発表したことし3月末時点のカードローンの融資残高は、三井住友銀行がおよそ7800億円、三菱東京UFJ銀行がおよそ4400億円、みずほ銀行がおよそ4100億円と、いずれも1年前より増加し、3行を合わせた総額はおよそ1兆6300億円と、1年で1400億円、率にして8%余り増えました。
大手銀行の間では、過剰融資のおそれが指摘されていることを受けて、融資額の上限の引き下げや、テレビ広告の時間や内容を見直すなどの動きが広がっています。
15日の決算発表の会見で、三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は「多重債務の発生を抑制する趣旨を理解して運用してきたが、適切な業務運営が行われているのか、点検を続けることが必要だ」と述べ、過剰な融資を防ぐ対策を進める考えを強調しました。
-- NHK NEWS WEB