新しい高速炉のあり方を議論する政府の会議が30日開かれ、開発の具体的な工程表を再来年・平成30年をめどに策定することなどを盛り込んだ開発方針の骨子をまとめました。
政府は、安全管理上の問題が相次いだ福井県の高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉にする方向で調整する一方で、経済産業省や文部科学省、それに電力会社などが参加する「高速炉開発会議」で、新しい高速炉の開発方針を検討していて、30日の会議で今後の開発方針の骨子をまとめました。
それによりますと、世界最高レベルの高速炉の開発を目指して、来年はじめに会議のもとに作業部会を設置し、再来年・平成30年をめどに開発の具体的な工程表を作成するとしています。
この中では今後、10年程度で必要となる作業を取りまとめるとしています。また骨子では、もんじゅを運転再開させなくても、フランスと協力して設計する実証炉や、高速実験炉「常陽」など国内外の施設などを通じて、炉の冷却に使うナトリウムの取り扱い技術など必要な知見は得られるとしています。
一方、30日の会議では、フランスなどとどこまで協力していくかは今後の交渉次第で、十分な知見が得られるのか不確実性があるほか、常陽での研究については、規模が小さいことによる制約があるなどの課題も指摘されました。高速炉開発会議では、来月中にこの骨子をもとに高速炉開発の方針をまとめることにしています。
-- NHK NEWS WEB