経営再建中の東芝が半導体事業の売却をめぐって、三重県の半導体工場を共同運営しているアメリカのメーカー、ウエスタンデジタルと対立している問題で、東芝はウエスタンデジタルに対し、工場のサーバーなどにアクセスできなくする措置を検討していましたが、当面、この措置を保留することになりました。
東芝は経営の再建に必要な資金を得るため、半導体事業の売却交渉を進めていますが、三重県四日市市の主力工場を共同運営しているウエスタンデジタルは、同意なしに第三者に売却することの差し止めを求め、国際仲裁裁判所に仲裁の申し立てを行うなど、両社の対立が深まっています。
これに関連して、東芝は以前、工場を共同運営していたメーカーと結んでいた製品の技術情報などに関する機密保持の契約を、ウエスタンデジタルとは結んでいないため、情報漏えいのリスクがあるとして、ウエスタンデジタルに対し、機密保持契約を結ぶという回答が15日までにない場合は、工場で東芝が管理するサーバーなどにアクセスできなくする措置を検討していました。
しかし、東芝は16日、ウエスタンデジタルとの間で、情報漏えいの問題の解決に向けて、協議を続けるためとして、当面、この措置を保留することを明らかにしました。
この背景には半導体事業の売却を進める障害となりかねない、ウエスタンデジタルとの対立の解消を目指して、協議を続ける狙いもあるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB