福井県にある高浜原子力発電所4号機は、17日午後5時に原子炉を起動する操作が行われ、再稼働しました。これで国内の稼働中の原発は、鹿児島県の川内原発と愛媛県の伊方原発と合わせて4基になりました。
福井県高浜町にある高浜原発4号機は、午後5時に運転員が中央制御室で核分裂反応を抑える制御棒を核燃料の間から引き抜くためのレバーを操作して原子炉を起動し、再稼働しました。
使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜた「MOX燃料」を使うプルサーマルという方式で発電します。
起動からおよそ13時間後の18日午前6時ごろ、核分裂反応が連続する「臨界」の状態になり、関西電力は今月22日に発電と送電を始め、徐々に原子炉の出力を高めたうえで、来月中旬に営業運転に入る計画です。
これで全国で稼働中の原発は、鹿児島県の川内原発の2基と愛媛県の伊方原発の1基と、合わせて4基になりました。
高浜原発4号機をめぐっては、去年2月の再稼働の3日後、発電と送電を始める作業の際に原子炉が自動停止するトラブルが起き、その後、裁判所の運転停止を命じる仮処分の決定で、3号機とともに運転できない状態が続きました。この決定はことし3月に取り消され、4号機が再稼働するのは1年3か月ぶりで、関西電力は慎重に作業を進めることにしています。
関西電力の岩根茂樹社長は「原子炉起動は運転再開の中でも重要なステップの1つであると考えている。今後も引き続き、国の検査に真摯(しんし)かつ丁寧に対応するとともに、今一度、身を引き締めて安全最優先で緊張感をもって慎重に作業を進めてまいります」とコメントを出しました。
関西電力原子力事業本部の大塚茂樹副事業本部長は福井県高浜町で会見し「原子炉を起動したことで、安全最優先で今後原子炉を運転していかなければならないとの緊張感が高まっている」と述べました。そのうえで、クレーンが倒れる事故やトラブルが相次いだことについて「協力会社への関西電力の関与とチェック、そしてリスク管理体制の3つについて、抜けがないよう緊張感をもって運転をすることが第一だと思っている。何かあれば、しっかり情報公開し対応していきたい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB