ドイツのフォルクスワーゲンが排ガス規制を逃れるため、ディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していた問題で、ドイツの検察当局は株価への影響を避けるために不正の発表を故意に遅らせた疑いでミュラー会長に対する捜査を進めていることを明らかにしました。
この問題は、フォルクスワーゲンが排ガス規制を逃れるため、ディーゼル車に試験の時だけ有害物質の排出を低く抑える不正なソフトウエアを搭載していたものです。
ドイツ南西部シュツットガルトの検察当局はドイツの金融監督当局からの告発を受け、株価への影響を避けるために不正の発表を故意に遅らせた疑いでフォルクスワーゲンの現会長のミュラー氏を捜査していることを17日、明らかにしました。
ミュラー会長は排ガス不正の問題が発覚した当時、フォルクスワーゲンの持ち株会社の取締役を務めており、おととし9月から、フォルクスワーゲンの会長を兼任しています。
ドイツの検察当局は、詐欺や株価を不正に操作した疑いでフォルクスワーゲンのウィンターコルン前会長らを捜査対象にしていることをすでに明らかにしていますが、ミュラー現会長への捜査が明らかになったのは初めてです。
これについて、フォルクスワーゲンの持ち株会社は「不正の発表を故意に遅らせたという疑いに根拠はなく、情報公開の義務は適切に果たしたと考えている」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB