先週、世界各地に広がった大規模なサイバー攻撃について、アメリカの情報セキュリティー会社は、北朝鮮のハッカー集団が関与した可能性があると指摘する一方、現時点ではさらに十分な証拠が必要だとして、引き続き調査を進めているとしています。
このサイバー攻撃は、コンピューターのファイルを勝手に暗号化して利用できなくしたうえで、元に戻すためとして、仮想通貨ビットコインによる支払いを要求するもので、アメリカ政府によりますと、被害は150か国で30万件以上に上っています。
これについて、アメリカの情報セキュリティー会社「シマンテック」の幹部、ビル・ライト氏は、NHKの取材に対して、今回のサイバー攻撃に使われたソフトウエアのソースコードと北朝鮮のハッカー集団がかつて使用したと見られている有害なソフトウエアのソースコードに類似点があると改めて指摘しました。
その一方で、「北朝鮮の関与について言うのは時期尚早だ。根拠がまだ薄く、さらに十分な証拠を求めて、現在、調査中だ」と述べ、見通しを示すのにはあと2~3週間かかると説明しました。
そのうえで、ライト氏は、今回のサイバー攻撃を仕掛けた犯行グループは、各国の政府が今回どのような対策を取ったのかなどを踏まえたうえで、その対策を上回るさらなる大きな攻撃を仕掛けてくるおそれがあると指摘し、警戒を呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB