アメリカのライトハイザー通商代表は、ベトナムで開かれた貿易関連の国際会議に出席し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱した決断は変わらないとして、アメリカの協定への復帰を否定しました。また、メキシコやカナダの閣僚と初めて会談し、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉に向け、調整を本格化させることを確認しました。
1週間前に就任したばかりのライトハイザー通商代表は、21日まで2日間、ベトナムのハノイで開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の貿易担当の閣僚会合に出席しました。
この会議に合わせ、アメリカ以外のTPP参加国が閣僚会合を開きましたが、ライトハイザー通商代表は、一連の会議のあとの会見で、「TPPから離脱した決定を変えるつもりはない」と述べて、アメリカの協定への復帰を否定し、2国間の貿易協定の締結を目指す姿勢を強調しました。
一方、先週、再交渉の意向を議会に通知したNAFTAをめぐって、ライトハイザー通商代表は、メキシコやカナダの閣僚と初めて会談し、ことし8月中旬以降に再交渉を始めるため、調整を本格化させることを確認しました。
NAFTAに基づいてアメリカへの輸出に関税がかからないメキシコには、日本の自動車関連企業などの進出が相次いでいますが、再交渉では関税をゼロにする基準の見直しも焦点となる見通しで、日本企業の経営戦略に大きく影響するだけに、注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB