昭和46年、東京・渋谷で警察官を殺害したとして指名手配されている過激派、中核派のメンバーと見られる男が公務執行妨害の疑いで逮捕された事件で、男が見つかったマンションは去年7月、別人名義で契約されていたことが警察などへの取材でわかりました。警察は拠点を次々と移していた疑いがあると見て調べています。
大阪府警は今月18日、過激派、中核派の拠点として広島市安佐南区のマンションを捜索し、室内にいた鈴木哲也容疑者(52)を有印私文書偽造などの疑いで、別の男を公務執行妨害の疑いで、それぞれ逮捕しました。
警察によりますと、このうち公務執行妨害の疑いで逮捕された男は、顔や体の特徴などから、昭和46年11月、仲間らと東京・渋谷区の派出所などを襲い、新潟県警から応援に来ていた当時21歳の警察官を殺害したなどとして、警視庁に殺人などの疑いで指名手配されている大坂正明容疑者(67)と見られるということです。
男は黙秘しているということですが、捜査関係者によりますと、大坂容疑者の母親のDNAと照合した結果、血縁関係があることに矛盾はないとの結果が出たということです。
警察によりますと、2人がいた部屋は賃貸マンションの3階にある広さ50平方メートルほどの部屋でしたが、この部屋は去年7月に、2人とは別人の男性が「親類の家を訪ねるときに使う」と説明して契約していたことが、警察や管理会社への取材でわかりました。
また、逮捕された男はほとんど外出していなかったということですが、部屋からは食料や生活用品が見つかったということです。警察は、男が鈴木容疑者らの支援を受けて拠点を次々と移していた疑いがあると見て調べるとともに、身元が確認されれば殺人などの疑いで逮捕する方針です。
-- NHK NEWS WEB