深さ数千メートルの深海に眠る海底資源の本格的な開発につなげようと、アメリカの財団などがことし9月から開く深海探査の国際レースに向けて、日本から出場するチーム、「KUROSHIO」が、レース用に開発した深海探査機の潜水試験を23日、静岡県沖の駿河湾で行いました。
深海探査の国際レースに日本から出場するのは、東京大学や海洋研究開発機構、三井造船などで作るチーム、「KUROSHIO」です。チームでは23日静岡県沼津市の沖合、およそ10キロの駿河湾で、レース用に開発した無人の深海探査機の潜水試験を行いました。
深海探査機は、音波探知機やセンサーを使って、周囲にある障害物や水の流れの状況を把握したうえで、みずからどこに進めばよいか、自律的に判断しながら地形の探査を行うのが特徴です。23日の試験では、水深200メートル付近でおよそ3.5キロにわたり、海底の起伏などを正確に測量できるか確認しました。
深海探査の国際レースは、ヨーロッパの石油会社大手、ロイヤル・ダッチ・シェルとアメリカの民間の財団、XPRIZEが開くもので、世界の21のチームがことし9月以降、水深2000メートルの海底で、16時間以内に100平方キロメートル以上の海底地形図を作成できるか、海底の重要なポイントについて写真を5枚撮影できるかを競います。
チームの共同代表を務める海洋研究開発機構の中谷武志さんは、「レースまでの時間は限られているが、試験と修正を繰り返して確実に探査を行える環境を整え、日本の技術力を世界に示したい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB