政府系金融機関の商工中金が、中小企業を支援する国の制度で不正な融資を繰り返していた問題で、金融庁は不正が全国的に行われた原因などを調べるため、24日、商工中金の立ち入り検査に乗り出しました。
東京・中央区にある商工中金の本店には、24日の午前9時ごろに、金融庁の担当者などが入り検査を始めました。商工中金は、災害や円高などで資金繰りが悪化した中小企業に資金を貸し付ける国の制度で、不正な融資を繰り返し、本部の職員が不正を隠蔽していたことも明らかになっています。
この問題で、商工中金が設けた第三者委員会は、一連の不正について、経営陣からの直接の指示はなかったと結論づけています。しかし、金融庁は、不正が全国各地の支店で行われた原因などを詳しく調べる必要があるとして、24日、経済産業省や財務省とともに、商工中金の立ち入り検査に乗り出しました。検査では、資料の分析や聞き取り調査を通じて、不正が行われた原因や、経営陣の関与が本当に無かったのかなどを調べる方針です。
この問題で政府は今月9日、商工中金に対し、原因の究明などを求める業務改善命令を出していますが、検査の結果によっては、追加の処分も検討することにしています。
-- NHK NEWS WEB