韓国のパク・クネ（朴槿恵）前大統領が収賄などの罪に問われている裁判で、２３日、パク前大統領本人が初めて出廷しました。パク前大統領は、起訴された内容をすべて否認したうえで全面的に争う姿勢を示し、今後の裁判で、みずからの言葉で無罪を主張する考えを明らかにしました。
韓国でことし３月に大統領を罷免され、先月、起訴されたパク・クネ被告は、長年の知人のチェ・スンシチル（崔順実）被告らと共謀し韓国最大の財閥、サムスングループから、約束分も含めて、日本円で４３億円余りの賄賂を受け取った収賄の罪や、チェ被告が深く関わる２つの財団に資金を拠出するよう、企業に圧力をかけた職権乱用と強要の罪などに問われています。
今月はじめから始まった裁判にパク前大統領が出廷したのは２３日が初めてで、まず、裁判長が職業を尋ねるとパク前大統領は「無職です」と答えました。
そのあと、パク前大統領側の弁護士が、起訴された１８件の内容をすべて否認し、裁判長から意見を求められたパク前大統領も「弁護士と同じ立場です」と述べ、起訴された内容をすべて否認したうえで、全面的に争う姿勢を示しました。
このあと裁判長が「ほかに話したいことがあるか」と尋ねると、パク前大統領は、「あとで申し上げます」とだけ述べ、今後の裁判で、みずからの言葉で無罪を主張する考えを明らかにしました。
２３日の裁判には、チェ被告も出廷し、みずからが起訴された内容を否認したうえで、「前大統領が犯罪を犯したとは思えない。裁判でえん罪を明らかにしてほしい」と述べました。
このほか、前大統領側に賄賂を渡したとして贈賄の罪に問われている、大手財閥、韓国ロッテグループの会長の重光昭夫被告も出廷し、同じく起訴された内容を否認しました。
韓国で大統領経験者が刑事事件の裁判に被告として出廷するのは、チョン・ドゥファン（全斗煥）、ノ・テウ（盧泰愚）両氏以来、３人目です。
-- NHK NEWS WEB
