企業がインターネットの通信販売などで契約者に示す約款について、契約者の利益を一方的に侵害する内容は無効とすることなどを盛り込んだ民法の改正案が、参議院法務委員会で賛成多数で可決され、26日に成立する見通しとなりました。
民法の債権や契約の分野の改正案は、インターネットの通信販売などで企業が不特定多数の契約者に示す約款について、今の民法には規定がなく、トラブルになるケースもあるとして、新たに規定を設け、契約者の利益を一方的に侵害する内容は無効とするなどとしています。
また、賃貸住宅の敷金返還のルールを明記し、借り手の故意や過失でできた傷などを回復する費用を除いて、敷金は原則として返されるとしています。
さらに、重度の認知症など、判断能力のない人が行った契約などは無効とすることや、消費者が買った商品に欠陥や傷が見つかった場合、売り手に対し損害賠償や契約の解除に加えて、商品の修理や代金の減額を求めることができるとしています。
一方、金融機関などが、融資の際に中小企業に求めてきた連帯保証について、保証人が想定外の債務を負って自己破産などに追い込まれる事態を防ぐため、その企業の経営者本人などを除いて、公証人が直接意思を確認するよう義務づけています。
25日の参議院法務委員会で改正案の採決が行われ、自民・公明両党や共産党、日本維新の会などの賛成多数で可決されました。
法案は26日の参議院本会議で可決され、成立する見通しです。
-- NHK NEWS WEB