日本を訪れている中国最大のネット通販企業、アリババグループのダニエル・チャンCEO=最高経営責任者が25日、記者会見し、日本企業の積極的な出店を呼びかけました。
アリババグループは、1999年に設立されたIT企業で、中国最大のネット通販サイトを手がけるとともに、東南アジアへの進出も進めています。
来日しているチャンCEOは25日、東京都内で講演し、中国でのネット通販の事業戦略を説明しました。このなかでチャンCEOは、輸入品では日本の製品の販売が最も多くなっているとして、「特に1990年代生まれの若い世代の購買力が高まっており、価格よりも品質や安全・安心を重視している」と述べました。
そのうえで、チャンCEOは「中国政府は輸入によって経済を活性化させようとしており、輸入政策は柔軟になっている。これは日本企業にとってすばらしいニュースだ」と述べて、日本企業に積極的な製品の出店を呼びかけました。
さらにチャンCEOは「消費者がどういう行動をとっているかのデータを分析して提供したい」と述べて、出店した日本企業に対して、アリババグループが保有する消費者の膨大な購買データの提供を検討していることを明らかにしました。
中国のネット通販をめぐっては、去年、日本からの輸入が前の年に比べて30%伸びており、日本を訪れる旅行者のいわゆる「爆買い」が減速する中で、今後も成長が見込まれています。
-- NHK NEWS WEB