日本企業が受注したベトナムで初めてとなる地下鉄の工事が最大の都市ホーチミンで始まり、市のトップは「近代化に向けた重要な一歩で、日本と緊密に協力していきたい」と期待を述べました。
ベトナムで初めてとなる地下鉄は、800万人以上の人口を抱える最大の都市、ホーチミンの中心部と郊外を結ぶもので、全長およそ20キロの工事を日本の大手ゼネコン各社が受注し、このうち中心部のトンネル工事が26日から始まりました。
現地で行われた記念式典には日本とベトナムの関係者およそ150人が集まり、あいさつしたホーチミン市人民委員会のフォン委員長は「この地下鉄はホーチミン市の近代化に向けた重要な一歩となる。今後も日本と緊密に協力して事業を進めていきたい」と期待を述べました。
ベトナムでは、経済発展に伴って都市部での交通渋滞が悪化し、地下鉄を含めた都市鉄道の重要性が高まっています。総事業費およそ2400億円に上る今回の事業にはこれまでに1500億円余りの円借款が認められ、2020年11月の開業を目指し工事が進められています。
このうち、オペラハウスなど歴史的な建造物の多い中心部でのトンネル工事には掘削のためのシールドマシンと呼ばれる日本の最先端の機械が使われていて、清水建設の河合信之所長は「狭い都市の間をくりぬく技術は日本で育った。品質と安全をおろそかにせず、技術をベトナム人に移転しながら質の高いインフラを実現したい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB