中国で行われた囲碁のコンピューターソフトと、「世界最強」とも言われるトップ棋士の3番勝負は、27日に最後の対局が行われ、すでに勝ち越しを決めていたソフトが3戦目も勝利し、圧倒的な強さを見せつけました。
アメリカのIT企業、グーグルの研究グループが開発したコンピューターソフト「AlphaGo」と、中国のトップ棋士、柯潔九段は、東部浙江省で今月23日から3番勝負を行っていて、すでにソフトが2連勝して勝ち越しを決めています。
最後の対局となる27日も、黒番のAlphaGoが序盤から優勢で、開始から3時間半余りで柯九段が投了しました。
柯九段は数々の国際タイトルを獲得し、世界最強とも呼ばれていて、今回の対局は、人間の棋士と人工知能の頂上決戦と言われ注目されていましたが、結果は人工知能の3連勝となりました。
囲碁のコンピューターソフトは、みずから学習する「ディープラーニング」という最新技術を取り入れたことで、最近急速に進歩していて、今回も圧倒的な強さを見せつけました。
対局後の記者会見で、柯九段は「AlphaGoは完璧で何の欠点もなかった。私は一生涯、超えられないと思う」と完敗を認めました。
関係者の間では、人間の棋士と人工知能の対局に一定の決着がついたという見方が出ていて、ソフトを開発する会社の代表も、AlphaGoが対戦形式で行うイベントは今回が最後だとの考えを示しました。
-- NHK NEWS WEB