取引先への対応で業務が夜間に及ぶことも多い大手ビールメーカーの間では、長時間労働を防ぐため、仕事を終えてから次の日に仕事を始めるまでに一定の時間を確保する「勤務間インターバル」の導入に向けた動きが出始めています。
このうち、サッポロビールは、来月、営業部門の一部の社員を対象に、仕事を終えて退勤してから次の日に仕事を始めるまでに最低11時間を確保する形で「勤務間インターバル」を試験的に導入します。
ビールメーカーは、飲食店や小売店に商品を置いてもらうための商談や資料の作成で業務が夜間に及ぶことも多いということです。
会社では、取り組みの効果や業務への影響を確認して制度の内容を固め、来年4月から全社的に導入する計画です。
石川孝人事部長は「長時間働くことで業績を伸ばす文化を、決まった時間の中で成果をあげる文化に変えていきたい。働きやすい環境を作ることは、優秀な人材の獲得にもつながると思う」と話しています。
また、キリンホールディングスは、ことし7月からグループ企業の営業と管理、それに生産部門からモデル職場を選んで、11時間の「勤務間インターバル」を試験的に導入したうえで、来年から本格的に実施する方向で検討しています。
「勤務間インターバル」は、長時間労働を防ぐ手段として政府も普及を目指していて、取引先への営業などで夜間の業務も多いビールメーカーでどこまで定着するか注目されます。
-- NHK NEWS WEB