今月、世界各地で広がったサイバー攻撃で企業の被害が相次ぐ中、大手電機メーカー各社は、ウイルスの感染を素早く検知して広がりを防ぐなど、新しい技術の開発を進めています。
このうち、富士通は、企業のオフィスにあるすべてのパソコンを対象に、ウイルスの感染を一括して検知できる技術を開発しました。
パソコンがウイルスに感染した場合、現在は社員が申告することで企業は被害を把握していますが、新しい技術では、パソコン1台1台が自動で感染を検知します。
これによって全体の被害状況がわかることから、企業は、対策を速やかに取ることができるようになるとしています。
富士通の國分明彦さんは「ウイルスの感染を水際で完全に防ぐことは不可能で、感染を拡大させないことが重要だ」と話していました。
一方、三菱電機は、工場の生産設備や発電所などのインフラ施設を狙ったサイバー攻撃をリアルタイムに検知する技術を開発しました。
従来の技術では、サイバー攻撃を検知するには過去の攻撃パターンと照合する必要がありましたが、この技術は、正しい通信データとサイバー攻撃の違いを瞬時に区別できるということです。また、検知すると自動でネットワークを遮断する機能の開発も進めています。
三菱電機の米田健さんは「東京オリンピック・パラリンピックを控え、重要なインフラ施設がサイバー攻撃の対象になる可能性もあり、こうした技術で日本の安全に貢献していきたい」と話していました。
サイバー攻撃の手口は年々高度化しており、このほかのメーカー各社も新しい技術の開発に力を入れています。
-- NHK NEWS WEB