ロシアで開発されている軽くて丈夫な炭素繊維などの素材を使った新型の旅客機の初飛行が行われ、中国が今月はじめにライバルとなる新型旅客機の初飛行を成功させたことを受け、ロシアでも順調に開発が進んでいることをアピールしたものと見られます。
ロシアの政府系の航空機メーカー「イルクート」は、軽くて丈夫な炭素繊維などの素材を使った新型の旅客機「MC21」型機の開発を進めていて、28日、組み立て工場がある東シベリアのイルクーツクで初飛行を行ったことを明らかにしました。
初飛行は30分間行われ、高度1000メールまで上昇し、操縦性や飛行の安定性、エンジンの動作などに関するデータを収集したということです。
初飛行の実施について報告を受けたプーチン大統領は、新型旅客機の開発担当者などに電話をして、初飛行の成功について祝意を伝えました。
ロシア政府は、今後20年間でロシア国内と旧ソビエト諸国を中心に1000機を売り込みたいとしています。
座席数が150席前後の同じクラスの旅客機をめぐっては、エアバス社やボーイング社など欧米の航空機メーカーが圧倒的なシェアを占めているうえ、中国も新規参入へ向けて今月5日に新型機の初飛行を成功させたばかりです。
ロシア政府としては、今後厳しい競争が予想される中で、順調に開発が進んでいることをアピールしたものと見られます。
-- NHK NEWS WEB