高齢者が当事者となる交通事故が相次ぐ中、国土交通省は歩行者の接近を検知して車を自動で止める自動ブレーキについて、今年度から安全性の評価を始めることになり、1日、試験の様子が公開されました。
国土交通省によりますと、去年生産された新車のうち、自動ブレーキが搭載された車はおよそ40%にあたる190万台に上り、自動ブレーキの普及が急速に進んでいます。
1日は、茨城県つくば市の施設で試験の様子が初めて公開され、担当者が車道を横断中の歩行者に見立てた人形に、時速30キロまで速度を上げて車を接近させ、自動ブレーキの作動状況を調べました。
これまでに自動車メーカー5社の11の車種を調べた結果、いずれも人形の手前で装置が作動して安全に車が止まり、3段階のうち最も優れた性能と評価されました。
警察庁によりますと、去年全国で交通事故で死亡した4117人のうち、歩行者が1534人と最も多く、最近では高齢ドライバーが歩行者をはねる事故も相次いでいます。
国土交通省は今年度から車を対象とした自動ブレーキに加えて、歩行者に対するものについても評価を行うことで、車の安全性の向上を図っていきたいとしています。
国土交通省自動車局の蛯原勇紀専門官は「ドライバーには装置に過信することなく有効に活用してもらい、メーカーには評価を参考により安全な自動車の開発を進めてほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB