大手企業の採用面接が1日に解禁されて売手市場と言われる大学生らの“就活”がヤマ場を迎えるなか、採用する企業の間で聞かれる言葉が「オヤカク」です。採用前に企業が親に意向を確認するという意味ですが、メリットもある一方で、異論も出ています。
「就職先を決めるのに親の意向に左右されるなんて…」と理解できない人もいるかもしれませんが、企業と親の双方にメリットがあるという指摘も出ています。
就職活動に詳しい、法政大学キャリアデザイン学部の児美川孝一郎教授によると、まずは「親のプッシュ」。売手市場で採用活動が難しくなっているため、企業には、親にも賛成してもらい就職を後押ししてもらう狙いがあると言います。
続いて「親の安心」。親が子どもの就職活動に直接かかわることで、いわゆる「ブラック企業」ではない、安心できる企業を選ぶことができるというわけです。
会社を選ぶにあたっての親の影響を裏付けるデータもあります。人材支援サービスのネオキャリアが3年前に大学生と大学院生を対象に「第1志望の会社に親が難色を示したり、賛成してくれなかった場合にどうするか」を尋ねたところ、男性の6.3%、女性の12.1%が、「親の言うことに従って就職しない」と回答しました。
-- NHK NEWS WEB