ことし4月、北海道東部の標茶町でヒグマに襲われて大けがをした男性が、当時、クマよけの鈴を複数、身につけていたことが警察への取材でわかりました。専門家は、鈴を身につけても遭遇することがあるため、クマが出る場所の周辺には立ち入らないよう呼びかけています。
ことし4月、北海道標茶町の山林で、山菜採りをしていた54歳の会社員の男性がヒグマに襲われ、右肩の骨を折る大けがをしました。
男性は当時、人がいることをクマに知らせるため、クマよけの鈴を3つ、身につけたうえで、口笛を吹きながら山菜を採っていたことが警察への取材でわかりました。
男性によりますと、草むらの中で何かが動く音が聞こえたため振り返ったところ、10メートルほど離れた場所に2頭の子グマを連れたヒグマ1頭が立ち上がっていて、木に登って逃げようとしたところ、襲われたということです。
ヒグマの生態に詳しい北海道立総合研究機構環境科学研究センターの間野勉自然環境部長は「クマよけの鈴を身につけても遭遇してしまうことはあるので、周囲に十分注意するとともに、クマが出る場所の周辺には立ち入らないようにすべきだ」と指摘しています。
秋田県仙北市でも、先月、クマに襲われて死亡したと見られる女性が、クマよけの鈴を身につけていたものの被害に遭っていたことがわかっています。
-- NHK NEWS WEB