アメリカのトランプ次期大統領は1日、中西部インディアナ州で演説し、空調機器メーカーがメキシコに工場を移転する計画を撤回したことを評価したうえで、アメリカ国内の雇用を守る考えを強調しました。このメーカーは、トランプ氏のたび重なる批判に屈した形で、企業に対するこうした圧力への懸念が高まることも予想されます。
トランプ次期大統領は、空調機器メーカーの「キヤリア」が、コスト削減の一環として、メキシコに工場を移転する計画を撤回したと発表したことを受け、1日、インディアナ州にあるメーカーの工場を視察しました。
このあと従業員を前に演説し、「NAFTA=北米自由貿易協定はアメリカにとって災難だ」と述べ、NAFTAの仕組みを活用してアメリカへの輸出に関税がかからないメキシコに工場を移転する動きを批判しました。そのうえで、このメーカーの移転計画の撤回を評価したうえで、アメリカ国内の雇用を守る考えを強調しました。
トランプ氏は、このメーカーがことし2月、工場の移転計画を発表したあと、選挙戦の演説で移転した先のメキシコから製品を輸入する際には高い関税をかけると訴えてきました。
このメーカーは州政府の税の優遇措置を受けて、移転を取りやめた形ですが、トランプ氏から受けた、たび重なる批判に屈した形で、こうした圧力が企業の経営戦略に与える影響に懸念が高まることも予想されます。
-- NHK NEWS WEB