去年、行われたアメリカの大統領選挙をめぐり、アメリカのネットメディアは、ロシア軍の情報機関が選挙のシステムを狙ってサイバー攻撃を行っていたとするアメリカの情報機関の機密文書を公開しました。
アメリカのネットメディア「インターセプト」が公開したのは、去年の大統領選挙に関する先月5日づけのアメリカの情報機関、NSA=国家安全保障局の文書です。
文書では、ロシア軍の情報機関、軍参謀本部情報総局が去年8月、アメリカの選挙ソフトウェア会社の社員に対し大手IT企業グーグルから発信されたように装ったメールを送り、情報を盗み取ったと見られるとしています。
そして、盗んだ情報を元に選挙ソフトウェア会社の社員を装って新たなメールアドレスを作り、投票日のおよそ1週間前、選挙の有権者登録システムを管理する地方政府の関係者、122人に対し「マルウェア」と呼ばれる不正なプログラムが入ったメールを送りつけたと見られるとしています。
この結果、選挙に関わるコンピューターがハッカーからいつでも侵入できる状態になっていた可能性があったということです。
今回の攻撃が選挙結果に影響したかどうかはわかっていませんが、ロシア政府のサイバー攻撃が選挙のシステムを狙っていた可能性が明らかになったことで、アメリカでは波紋が広がりそうです。
一方、アメリカの司法省は「インターセプト」が文書を公開した直後、機密文書をメディアに漏えいしたとして25歳の政府機関の関連業者の社員を訴追しましたが、この社員は機密の漏えいを認めているということです。
-- NHK NEWS WEB