桜の名所で知られる奈良県の吉野山のロープウエーで、ことし4月、ゴンドラが停留場の設備に衝突する事故が起きていたことがわかりました。けが人はいませんでしたが、事故のあと運転は再開されておらず、地元の観光協会などから心配する声が上がっています。
近畿運輸局によりますと、大型連休を間近に控えた、ことし4月下旬、奈良県吉野町の吉野山のロープウエーで、上りと下りの2つのゴンドラがそれぞれ停留場で停止位置を行きすぎ、鉄製の設備などに衝突する事故がありました。
下りのゴンドラには乗客15人がいましたが、けがはありませんでした。
運転操作の担当者がブレーキのタイミングを誤ったのが原因と見られるほか、自動ブレーキを作動させる安全装置の電源が入っていなかったということで、近畿運輸局は重大事故につながる可能性があったとして行政処分などを検討しています。
ロープウエーは吉野山のふもとと、世界遺産、金峯山寺がある中腹を結び、春や秋の行楽シーズンには大勢の観光客が訪れますが、事故のあと運転は再開されておらず、地元の観光協会には運営会社から「来年2月末まで運休する」と連絡があったということです。
観光協会の専務理事をしている田中敏雄さんは「ロープウエーは吉野の観光資源でもあるので、運休が続くのは非常に痛いです」と話しています。
また、地元の旅館組合の森下圭太郎さんも、「吉野に来るお客様への影響も大きいので、1日も早い運行再開を望みます」と話しています。
-- NHK NEWS WEB