フィリピンを訪れていた日本人男性2人の行方がわからなくなり、現地の検察は、一緒にいた人物の証言などからいずれも殺害されたと判断し、2人をフィリピンに呼んだ日本人の55歳の男を殺人の罪で起訴しました。被告は、取材に対して「自分は何も知らない」などと起訴された内容を否定しています。
先月30日にフィリピン西部の島を訪れた大阪出身の井谷勝さん(59)と茨城県出身の新井康寛さん(24)の2人は、周辺の島めぐりをすると言って出かけたまま、行方がわからなくなりました。
現地の警察は、2人が乗ったボートのフィリピン人船員らが「同行していた日本人が連れてきたフィリピン人の3人組が銃で2人を殺害し、遺体を切断して海に捨てた」と話したことなどから、フィリピンに住む日本人の男の身柄を拘束して捜査していました。
2人の遺体は見つかっていませんが、現地の検察は、船員らの証言や周辺の島で銃弾や血のついたサンダルが発見されたという警察の捜査結果から、2人は殺害されたと判断し、6日夜、拘束していた日本人を殺人の罪で起訴しました。
起訴されたのは、現地で会社を経営しているという長濱博之被告(55)で、7日に勾留先の施設でNHKなどの取材に応じました。
このなかで長濱被告は「事件はでっちあげで、自分は何も知らない。当日は商談のため、2人とは別行動を取っていた」と話しました。被告によりますと、現地で始めるレストラン事業の責任者を募集したところ、2人が関心を示し、仕事環境を見学してもらうためフィリピンに呼んだということです。
また被告は、現地でけがなどをした際のためとして、2人に対して被告の会社などを受取人にしてそれぞれ2億円の保険をかけていたということです。
-- NHK NEWS WEB